ポリプテルス・モケレンベンベ
polypterus mokelembembe
(旧レトロピンニス)

ポリプテルス・モケレンベンベを飼育し始めた。モケレンベンベとは、アフリカのUMAモケーレ・ムベンベから来た名前です。
モケーレ・ムベンベは現地の言葉で「河の流れを堰き止めるもの」を意味するらしい。
ひと昔前はモケレンベンベといえば現在レトロピンニス(ザイールグリーン)と呼ばれているポリプテルスを指していた。
そして逆に本種がレトロピンニスと呼ばれていた。
単に過去の記録ミスからくるもので、現在は学名も決まりP.mokelembembeと正されている。
名前がクロスした珍しい例だと思う。
まだまだ流通名が混乱しており、2020年11月現在でも誤った表記で販売されているのを確認した。誤解のない様に付け加えておくが、流通名に馴染み深い方を使っていてちゃんとその説明文がある所もある。購入の前によく読んで、わからなければ確認するとよろしいかと思います。
どの魚にもそれぞれの魅力があり優劣などつけられないが、欲しい魚と違う魚が届いたりしないようにしっかり確認してからお迎えする事をお勧めしたい。
魚の輸送にはストレスがかかり、時には命がけであなたの家までやってくる。
そんな命がけの旅の末に飼育者に落胆されてはかわいそうですからね。
とまぁそういうネタ話も然り、UMAから取った名前というだけでロマンを感じさせられるのも愛好家の痛痒い部分に十分すぎるほど手が届く魚ですね。
コンテンツ
ポリプテルス・モケレンベンベ〜我が家での飼育環境

◯水槽 W90×D45×H30
◯濾過 同じ水槽を繋げた自作大容量濾過槽
◯温度27℃前後
◯水質 弱酸性寄りの中性
◯地域 沖縄県 北谷浄水場圏内
◯エサ まっかちんの職人フード、グロウF、生き餌(小魚、エビ)冷凍赤虫
それらを適当に1日1回~2回
◯その他特筆事項
濾過槽について
ウチのモケレンベンベ水槽は上記の通り自作濾過層を用いている。
90ロー水槽2つを塩ビパイプで繋げてリオで回し、片方を全て濾過槽にして全体水量を2倍にしようというなんともアホな発想です。

ポリプテルスの仲間はそれほど広さを必要としないと言われてはいるが、中型魚を群で飼育するわけなのである程度の水の汚れの発生は容易に想像できる。
なので出来るだけ全体水量を確保したいというわけですね。
実質180cm×45cm×30cmの水槽で飼育するのと同じ水量を確保した事になる。
濾過槽に水槽をそのまま使ってるので、塩ビパイプを使った給排水では濾過槽内の水の流れに大きな偏りが発生する。
そのため、ウチでは強めのエアレーションを入れて濾過層内の水の循環を確保している。
いずれにせよ現段階では立ち上げからさほど間もないので、試運転と呼んでも差し支えないほど短期間しか運転していない。
あくまでも自作なので、居ないとは思うがもし参考にする方は自己責任でお願いします。
ポリプテルス・モケレンベンベ〜何故多頭飼育なのか

インスタグラムにも書いたが、当方は生体を迎える場合は基本的にひとつの種を最低でも3匹以上お迎えする事に決めている。これはあくまでも個人的趣向であり、他所様を否定するという事ではありません。
予算や流通量の問題で3匹以上お迎えできない場合は余程の事がない限りお迎えを見送る事にしている。
その理由としては、
◯生き物には必ず個体差がある。それを体験するには多頭飼育がいい。
◯将来ペアになる可能性がグンと上がる。生き物を飼育すること自体が人間の好奇心から来るエゴだが、できれば野生で取るであろう行動のできる限り全てのチャンスを与えてあげたい。つまりできれば繁殖に繋げたい。
この2つが大きな理由です。
特にこのモケレンベンベに関しては、ポリプテルスの中で1番好きな品種です。当方は決してお金持ちではないですが、今回の日本への入荷分から少し無理をしてできる限りの個体数をお迎えした。
ポリプテルスの繁殖自体がまだまだ一般的ではないですが、チャンスが訪れる事を願って何年もかけて経過を見守る事にします。
できる限りの情報収集をしたい。また身近にポリプテルスの繁殖、しかもハイブリッドブリードの経験者もいて繁殖時の環境も聞いている。
モケレンベンベの繁殖はかなりのレアケースだと思うので無理は前提だが、当面はこれに全力を注いでみたい。
当方がお迎えしたのはまだまだ成熟してるとは言えない個体の集まりなので、長い目で見守ってくれたら幸いです。この過程で知り得た情報は出し惜しみなく記事にしていく。
特にモケレンベンベを好きな方とは情報共有できればホント幸せです。有力な情報がありましたら是非ご提供願います。当方も知り得た事や考察などは随時発信して参ります。
ポリプテルス・モケレンベンベ〜底砂の使用について

ポリプテルス飼育の底面については大きく分けてベアタンク(底砂を入れない)と底砂を敷く2パターンがある。
当方は生体メインの水槽はメンテナンスの楽さからもっぱらベアタンク派だったが、今回2本のポリプテルス水槽にガーネットサンドを敷いた。
ガーネットサンドとは、ガーネットと呼ばれる宝石(1月の誕生石)の砂でポリプテルス愛好家の間では広く知られている物。
◯比重が重いため薄敷きでも舞いにくく底面が露出しにくい。
◯薄く敷けるという事はゴミも溜まりにくい。
◯重いので底面クリーナーで掃除をしても吸い込まれにくい。
◯底面ガラスをカバーできるので光の反射による魚の色飛びを防止でき、本来の体色を引き出す事ができる。魚が落ち着きやすい。
ザックリだがこの様な利点がある。
魚の体色についてはあまり気にしていなかったが、魚が落ち着けばと思い今回使用してみた。
すると約10日間足らずでモケ達の体色に大きな変化が現れた。
嬉しい事にTwitterでもフォロワーさん達から結構な高評価をいただけた。
多くの魚がストレスなどでで体色を日々変化させるのは少し経験を積んだアクアリストなら知っているかと思います。
でも底砂を敷くとメンテナンスに手間がかかったり、放置しすぎると病気の温床にもなるという理由からベアタンクという方も多いと思います。
特にプレコの様に糞をたくさんする魚や中型以上の水を汚しやすい魚だと確かにベアタンクの方が楽ですよね。
でも薄敷きできる底砂ならほんのちょっとのメンテナンスの違いで飼育魚の面白い変化を見れるかもしれません。
ベアタンク派のあなたも試しに一本底砂を敷いてみてはいかがだろうか?
モケレンベンベとレトロピンニスの違いは?簡単な見分け方
今回モケレンベンベを迎えるにあたり、参加しているグループラインの方からも情報をいただいた。慣れればパッと全体像を見ればすぐ分かるが、そもそもどちらもあまり見た事が無い方はお困りだろう。
当方流の簡単な方法だがとりあえず記しておく。下の写真をご覧いただきたい。

色や柄、背鰭の数などにも違いがあるが、1番簡単なのは顔を見る事だと思っている。
モケレンベンベの目は黒い瞳が茶色っぽく縁取られている。

対してレトロピンニスは瞳の周りの組織が縞縞模様になっており、なんというかダーツボードの様な眼をしている。テキトーすぎてすみませんがレトロはこんな感じの眼↓

雑な比喩ですが、モケレンベンベはつぶらな瞳でレトロピンニスはワイルドな目つきって感じです。
体色はモケレンベンベは濃いチャコールにもう少し濃ゆめの乱れたバンドが入る。レトロピンニスは薄いカーキ色に細かい点々の黒が入り、体の後半に行くにつれて抜きのスポット模様になるパターンが多いようです。※どちらも緑化してない場合です。
あと背鰭の数。モケレンベンベは流通するポリプテルスの中では1番少ないんじゃないだろうか?大体5〜7本とされている。そのため体の後半まで背鰭が無くイカつさも無い。
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