プレコシェルター、特に産卵の場面を考えたシェルターの制作や、その他の最近の制作物を今回は紹介しようと思います。
本当は活動内容などいろいろ書きたい事はありますが、ここからしばらくは公開できる範囲の制作内容をメインにしていきます。
それでは早速
プレコシェルター産卵筒
まずこの産卵筒にまつわるストーリーを聞いて欲しい。
あれは2019年の秋、イベント出店で浜松に行った時の事だった。
その時のイベントにかの有名なオマケさんも一緒に出店した。(ブースは向かい)
キンペコファンなら多くの方がご存知かと思いますが、オマケさんはキンペコブームが訪れるずぅっっっと前からキンペコブリードを手掛ける方だ。アクアライフにも載った事がある。
その頃はまだ血統などの概念が無く、ハイマニア達の間では国内に入ってくるワイルド個体の争奪戦だったらしい。
その時代を経て、それらのワイルド個体から選別を重ねられた個体群が各ブリーダー達の元から血統と呼ばれるプレコ達となり世に輩出されていった。
とまあ、簡単に言うとこんな感じでしょうか。
血統にご興味を持ち、細部を正確に詳しく知りたい方はブリード専門の方の記事やショップなどを探してみてください。
話を戻します。
あのイベントの後日、当方はそのオマケさんからあるご依頼を受ける。
長年のブリードから得た考察から、こんな産卵筒があれば嬉しいと言う意見をいただいた。
イベントも一夜明けた朝、近所のオシャレなパン屋で朝食を取りながら、絵を描いて内部構造の説明をされたのを今でもよく覚えている。
その時ご依頼を受けた産卵筒が、少量だが2020年の夏頃初めてリリースされた。
ご本人からもご依頼内容がすごく反映されているとお返事をいただけた。
今は実際に使っていただいて経過を見ている所です。
その名も「オマ・ホール!」、、!!
は冗談として、正式名称はまだ決まっていません。上の名前を言ったら当たり前ですがソッコー却下されました。
その名器がこちらです。←反省してない

外観はよくあるコーン型の様な感じですが、内部の構造が少し違います。
通常のコーン型は、奥に行くにつれてフェイドアウトしていく様に先細りになっている。
この産卵の芯になっている型↓

このオマ・、、、産卵筒は、途中までが先細りですが、ある所から先細りではなくなり、一定の幅で奥まで進んで最後は半球系のエンドになっている。
同氏曰く「試験管の構造」。
実験などに使う試験管は、物質同士を混ぜ合わせるのに最適な内部構造になっている。
雄が卵を守り新鮮な水を送る時、産卵筒の内部の水が適度に回りやすい構造とは、試験管の様な物なのだ、という事でしょう。
なるほど、職業柄試験管を扱う人の発想だと思いました。
なんやかんやで押せ押せだったご依頼も、ようやく形になりました。
機会がございましたら、是非このオマ、、産卵筒をお試しください。
これは今のところペットショップ若林便にのみ搭載。当サイトの取扱店一覧よりお問い合わせください。
プレコシェルター産卵筒一体型アリの巣
これも最近の物です。
前から構想はありましたが、
何せウチSheltaCraftaはブリード用品にはそこまで力を入れておりません。
もともとコミュニティタンク向けのシェルターやオブジェの専門なので、後回しにして放置していたアイディアのひとつです。

アップするやいなや、DM対応がオーバーフローしたセルフキルコンセプト。
ウチも基本は親任せで放置する派なので、同じタイプの人にとってこれは面白いに違いない。
本当は自分で使ってみたかったが、お客さんが欲しがってくれたので出品に至った。
産卵場所はもちろんのこと、小さな稚魚からセミアダルトまでが遊べる空間を併設。
親任せ放置ブリード3世代住宅です。
今はなかなか自由な制作時間が無いので、どこかのショップからオーダーが有れば量産するかと思います。
と記事を書いている矢先に香港支店から伝達があった。おそらく次の出荷にはオーダーが入るでしょう。
プレコシェルターとして機能する鍾乳石

これまで幾度となく試みては挫折していた物がようやく納得のいく形でできました。
対象はヒパンキなどの小型種が向いているでしょう。
ぱっと見ではこれまでの物との違いがよくわからないと思いますので説明します。
アップで見ると、、

不規則ですが横見型の要素を取り入れてある。アリの巣型と似たような機能を期待できます。
2cmぐらいまでの幼魚なら身を潜める事ができる溝。それからこれまでの物と同様に下部に空間もあるので、そちらもプレイグラウンドとして面白い動きが見れるでしょう。
やはり個人的にはコミュニティタンク向けの制作が好きだ。
これまでの鍾乳石型にこの造形をプラスした物です。以前インスタにアップした物↓

自然界の鍾乳石には様々な物がありますが、これはどうしても取り入れたかった。
だいぶ低迷していたが、ある制作をきっかけにやってみたらすんなりうまく行った。某師殿に感謝。
問題があるとすれば、これまでの鍾乳石と比べると制作に時間がかかる事。
同時にアンバランス状態での加工が増えるので、倒壊のリスクが増える事だ。
その倒壊のリスクも、制作終盤の作業時に発生する。
失敗の可能性を抱え持つ、終わるまで何とも言えないトライアル制作。
実際上の写真の物は一度倒壊して一からやり直して出来上がった物だ。
加えて精神力の消耗も著しい。
(ぶっちゃけ1日に一個でもギリギリ)
他にも同様の物をいくつか作った。



アマちゃんな当方にとって、無心で挑む数時間というのはなかなか厳しく感じる。控えめに言っても自分がたるんでると感じますね。
世の土の人達は精神力が流石です。
課題は山積みだが、足元に紙一枚程度の高さの経験が積み上げられたのは事実。
この繰り返しで高みを目指すしか道はない。
とまぁ最近リリースした物はこんな感じです。